ツール別の使い方と規約 — ChatGPT、Midjourney、Canva、ローカルの FLUX と Stable Diffusion
壁紙づくりのツールは、大きく「クラウドのサービス」と「自分の機械で動かすソフト」に分かれます。どちらを選ぶかで、必要なもの、かかるお金、作った画像を何に使えるかが変わります。ここでは各ツールの公式の規約や文書を実際に開いて確かめた範囲で、壁紙づくりに関わることだけを書きます。操作画面の細かい手順は版ごとに変わるので、各社の案内に譲ります。
規約と文書の確認日は 2026-09-03 です。生成物の権利についての条文はAI 画像生成ツール比較に条文ごと載せています。
クラウドのサービス
ChatGPT(OpenAI・gpt-image)
いちばん手軽な入口です。会話の中で「iPhone のロック画面用の壁紙を、縦長で」と頼めば、画像が返ってきます。作った画像は利用者が所有すると規約に書かれていて、日本向けの利用規約は「人が作り出したものではない場合に、アウトプットを人が作り出したものと表示すること」を禁じています。人に見せるときは AI で作ったと分かるようにしておく、というのが使い方の作法です。
サイズについては、OpenAI の画像生成 API の文書に、指定できる大きさの条件が書かれています。最大辺は 3840px まで、縦横とも 16 の倍数、長辺と短辺の比は 3:1 まで、総画素は 655,360 から 8,294,400 まで。9:19.5 の縦長はこの範囲に収まります。ただしこれは API の話で、アプリの画面から作るときに選べる大きさは版によって変わります。作ったあとに画像の実寸を確かめる癖をつけてください。
Midjourney
作った画像は利用者のものになりますが、二つ知っておくことがあります。ひとつは、年商の大きい会社に属している場合は上位のプランが条件になること。もうひとつは、既定では生成物が公開され、他の利用者が使ったり作り替えたりできること。「自分だけの1枚」を作るなら、公開の設定を先に確かめる必要があります。生成物の再配布は利用者の判断に委ねられ、禁じられているのはサービス自体の再配布です。
Canva
デザインツールの中で画像を生成できます。生成物は利用者のものですが、Canva の素材を組み込んだ部分は除かれます。二次情報には「有料プランだけ商用可」と書かれていることがありますが、規約の本文にそのような区別はなく、分かれ目は素材を組み込んだかどうかです。人が作ったと誤認させることと、C2PA などの来歴メタデータを消すことは禁止されています。
Ideogram・Recraft
Ideogram は生成物の権利を利用者に譲渡し、商用利用も制限していません。公開設定の作品は他の利用者が使えます。Recraft はプランで権利の所在が反転するツールで、無料プランの生成物は Recraft のものとされ商用利用が禁じられ、有料プランでは著作権が利用者に譲渡されます。人に配るなら、有料プランで作ったものに限る、が答えです。
Google・Microsoft・Adobe
Google の Gemini API は生成物の所有権を主張せず、共有した先での利用も利用者の責任としています。欧州向けには有料サービスの条件がありますが、日本向けの版は確認できていません。Microsoft は所有権を主張しない一方、知的財産権があるかどうかの判断を利用者に委ねます。Adobe は Content Credentials の除去・改変・無効化を禁じています。
自分の機械で動かすソフト
ローカルのソフトは、無料で、オフラインで動き、生成物の扱いがサービスの規約ではなくモデルのライセンスで決まります。必要なのは GPU のあるパソコンか、対応する Mac や iPhone です。
モデルを選ぶ
- FLUX.1 [schnell] — ライセンスは Apache License 2.0。モデルカードにも「the model can be used for personal, scientific, and commercial purposes」とあり、配る画像の主力にするなら条文上の心配がいちばん少ない。
- Stable Diffusion XL — 公式の説明に「trained on a variety of aspect ratios on images with resolution 1024^2」とあり、縦長の壁紙に構造的に向く。ライセンスは CreativeML Open RAIL++-M で、出力にライセンサーは権利を主張しない。用途の制限(違法な目的、未成年者への危害、医療助言など)は守る必要がある。
- Stable Diffusion 1.5 — 情報と派生モデルが多い。ただしモデルカードの学習解像度は「512x512」で、そのまま縦長を作ると構図が崩れやすい。
- FLUX.1 [dev] — ライセンスの条文が自分と矛盾している。出力は「any purpose (including for commercial purposes)」で使えると書きながら、「any data produced by the FLUX.1 [dev] Model」の商用利用を禁じる条項が同居する。自分の端末に設定する分には困らないが、配る画像の主力にはしない。
ソフトを選ぶ
- Fooocus — 「Minimal GPU memory requirement is 4GB (Nvidia).」。ダウンロードから最初の1枚まで「the number of needed mouse clicks is strictly limited to less than 3」を掲げる、いちばん入りやすい入口。「offline, open source, and free」。
- AUTOMATIC1111 Stable Diffusion WebUI — 「4GB video card support」。機能が多く、低い解像度で描いてから拡大して描き込む Hires. fix(「partially render your image at a lower resolution, upscale it, and then add details at a high resolution」)が壁紙の高解像度化に効く。
- ComfyUI — 「Windows, Linux, and macOS」で動き、ローカルの機械が無い人向けの有料クラウド版もある。組み立て式で自由度が高い。
- InvokeAI — 「Free to use under a commercially-friendly license」。
- Draw Things — 「For: iOS/iPadOS/macOS」「completely free and runs offline on all devices」。iPhone だけで Stable Diffusion 系のモデルを動かせる数少ない選択肢で、パソコンを持たない人の道になる。ただし機種ごとの動作や速度は確かめていない。
- DiffusionBee・Mochi Diffusion — Mac 向け。Mochi Diffusion は「macOS 15.6 and later」「Apple Silicon (M1 and later)」。
- Real-ESRGAN — 生成した画像を拡大する単体のツール。BSD 3-Clause ライセンスで、配布物のパイプラインに組み込みやすい。
i-Poster の配布壁紙は、こう作っている
配布ギャラリーには、OpenAI の画像生成で作った壁紙を載せています。使用ツール・プラン種別・生成日と、実際に使ったプロンプトの全文は各作品のページで確認できます。生成した画像は再圧縮せず、そのままのファイルを配布しています。端末枠の中のプレビューだけ、表示用に縮小しています。
配布PNGの実寸は、852×1846 または 853×1844 ピクセルです(2026-09-13 に配布ファイルを確認)。生成時に希望した大きさと、返ってきた画像の実寸は同じとは限りません。サイズ早見表と比べて小さい画像は、端末側で拡大して表示されます。見え方は壁紙の設定画面で確かめてください。